こうして織物にするだけでは、せいぜい縦横の糸を交差させるだけの文様(といっても実際には相当手の込んだ織がなされる)しかできません。文字や絵などの大きな文様は、そのあとで布を染めることで作られます。
布の染め方はいろいろあり、染める作業と染めない作業(白地または元の色を残す防染【マスキング】)が組合せて行われます。
この作業は、染師(そめし)の腕のみせどころです。
蠟(ろう)で防染する「臈纈(ろうけつ) 染め 」や、糸でくくったり板に挟んだりして白い部分を残す「絞り染め」、模様を切り抜いた型紙を用いて柄を染める「型染め」、「小紋 (こもん) 」、円錐形の筒から防染糊を絞り出す「筒描き (つつがき) 」、模様の輪郭を糸目糊で囲う「友禅(ゆうぜん)」など、色々な方法が編み出されています。
型染とは、型紙を使って布の上に防染糊を置き、染め液をつけた刷毛で染めるか又は染め液に浸して染め、水洗いで糊を落として模様を表す染め方です
筒書きでは、円錐形の筒に防染糊を入れ、それで布地に模様を描いておき、それを染め上げます。
型染の一種とされますが、細かい模様を全体的に染めた着物は、小紋(こもん)と呼ばれます。普段着ですがオシャレな和服です。江戸小紋、加賀小紋、京小紋があります。
友禅染は、染め出す模様の輪郭線にあらかじめ、細く糊を置き、隣り合う色同士がにじまないように工夫する技法です。今では型紙を使った型友禅や、コンピュータでのプリント捺染(なっせん)も盛んです。
京友禅、加賀友禅、東京友禅、十日町友禅など、各産地によって特徴があります。
絞り染めは、生地を括ったり、圧縮したり、縮めたりして染色します。この結果、染まる部分と染まらない部分ができ、偶然性を楽しめる模様になります。
溶かした蝋を布の表面に筆などで塗り、模様や字を描いておきます。そのまま布を染色して、後で蝋を落として水洗いします。こうして布を染め抜きます。複数の色で染めるには、この工程を何度か繰り返すことになります。蝋を乾燥させた状態で、ひび割れさせ、亀裂模様をつくることもあります。